『淵に立つ』
2016(日本/フランス)119分
監督:深田晃司
(あらすじ)郊外で小さな金属加工工場を営む鈴岡家は、夫・利雄、妻・章江、10歳の娘・蛍の三人家族。ある日、利雄の旧い知人で最近まで服役していた八坂という男が現れ、一緒に生活を始める。章江は突然の出来事に戸惑うが、礼儀正しく、蛍のオルガンの練習にも喜んで付き合う八坂に好意を抱くようになる。だが、ある時、八坂は一家に残酷な爪痕を残して姿を消す。8年後。八坂の行方は知れず、利雄が興信所に調べさせても一向に手がかりはつかめない。そんな折り、工場では古株の従業員が辞めることになり、代わりに孝司が新人として入ってくる。
観賞後、「いい作品を観たなぁ」という満足感で幸せな気分になりつつ、その内容を思い出すと怖くてたまらないというアンビバレントな感情を抱いて帰宅した。
ホラーじゃないんだけど、ホラーだった。浅野忠信がマジで怖い。でも、観てる間は恐怖に支配されるってわけじゃなく(それは「脅かす」つくりになっているわけじゃないからだと思うのだけど)、もっとずっと複雑な感情が去来して、それは観賞後も続いて、観終わった後も考えざるを得ないというか、、、とにかく傑作だった。