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『戦場でワルツを』

2008(イスラエル/フランス/ドイツ/アメリカ)90分 アニメ、ドキュメンタリー

監督:アリ・フォルマン

(あらすじ)2006年、友人から1982年のレバノン内戦での経験と関連した悪夢について聞かされたアリ・フォルマンは、自身がその頃の記憶を失っていることに気付く。その後、彼はサブラ・シャティーラ事件の夜の幻覚を見るが、やはり詳細は思い出せない。友人の心理学者を訪ね、同じ時期にベイルートにいた他の人々と話をするよう勧められたフォルマンは、当時の仲間たちに会い、自分の記憶を辿っていく。

・サブラー・シャティーラ事件とは、1982年9月16日から18日の間に行われた、レバノンの親イスラエル政党「ファランヘ党」などで構成される民兵組織「レバノン軍団」によるパレスチナ難民の大量虐殺事件である。

1975年から始まったレバノン内戦は泥沼の様相を呈していた。そんな中、1982年6月6日にPLOを撤退させるためと称して隣国イスラエルがレバノンに侵攻する。イスラエルは、レバノンを親イスラエル国家にしようという思惑があり、反シリアでイスラエルと懇意だったバシール・ジェマイエルをレバノン大統領に当選させることに成功する。 イスラエルの目論見は成功したかに見えたが、1982年9月にジェマイエルは何者かに爆弾で暗殺される。イスラエルはこれをPLO残党の犯行とみなした。ジェマイエル殺害に憤慨した民兵組織「レバノン軍団」は、パレスチナ人への報復を実行する。(「サブラー・シャティーラ事件」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』2016年8月27日 (土) 20:27UTCより引用)

フォルマン監督自身が、1982年、19才でイスラエル国防軍の兵士だった頃の記憶を、友人たちやジャーナリストとの対話を通して、取り戻していく様を描いた作品だが、中心となるのは彼の心象風景である。事前に「アニメーションで戦争を描くドキュメンタリーである」という情報を見て、多少の戸惑いを感じていたのだが、観終わった後にはこれはアニメーションでなければいけない作品だと思うようになった。また、作中唯一使われる実写映像の凄みが際立っている。

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