『大統領の陰謀』
1976（アメリカ）138分
監督：アラン・Ｊ・パクラ
（あらすじ）1972年6月、ウォーターゲートビルの民主党全国委員会本部オフィスに侵入していた5人の男が不法侵入の罪で逮捕された。入社してまだ日が浅いワシントン・ポスト紙の社会部記者ボブ・ウッドワードは、法廷取材で共和党系の弁護士が傍聴に来ていることに気付き、踏み込んだ取材を開始する。一方、先輩記者カール・バーンスタインもこの不法侵入事件に興味を抱いており、ウッドワードの書いた原稿を焦点が甘いと指摘し、推敲してみせる。ウッドワードは反発しつつもバーンスタインの手腕を認め、やがて2人は事件の担当記者に任命される。
ウォーターゲート事件の真相を突き止め、ニクソン大統領を失脚にまで到らしめた二人の新聞記者の活躍を描いた実話の映画化、新聞記者たちをロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが演じている。
ウォーターゲートがビルの名前であるということすらこの映画を観て知ったくらいに、史実を何も知らずに鑑賞。人物の名前が次々出てくるのでちょっと混乱しつつも、概ね楽しく観られた。
ドキュメンタリータッチという評価もされているようだが、贅肉を全て削ぎ落としたような硬派な作りで、特に事件の顛末を描くラストの淡白さには驚いた。記者たちの活躍によって大統領が失脚したという出来事よりも、記者としての意地というかジャーナリストの正義といったものに重きを置いたクライマックスで、最初は正直ちょっと拍子抜けしたのだが、後からじわじわと味わい深かった。
レッドフォードもホフマンもかっこいいのだが、編集主幹（ジェイソン・ロバーズ、本作でアカデミー助演男優賞受賞）が本当にかっこよかった。
