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『輪舞(1964)』

  • ロンボン
  • 2017年2月20日
  • 読了時間: 2分

1964(フランス)112分 

監督:ロジェ・ヴァディム

(あらすじ)舞台は第一次大戦前夜のパリ。娼婦が一人の兵士を誘う。その兵士はダンスで女中を引っ掛ける。その女中は使える屋敷の息子と情事、その息子は人妻を借りたアパートに呼び出す。人妻は夜、夫に過去の女の話をせがみ、その夫は街で愛人と密会、その娘は注意に背いて声を掛けてきた作家に身体を許す。女優の卵を狙う作家の本命は大女優で、その大女優はうぶな伯爵を気に入って誘惑する。大女優の出待ちをしていた伯爵の元に「サラエボでオーストリア皇太子が殺された」と連絡が入り、友人と別れを惜しんで飲み酔っぱらう。翌朝、娼婦の部屋で目を覚ました伯爵は丁寧な別れを告げて立ち去る。

オフュルス作品と比較してみたくて鑑賞。全く同じ話なのに、登場人物に抱く感想がまるで違って驚いた。全員軽薄な人物像なのは変わらないのだけど、オフュルスの方は滑稽さが際立って可愛げがあるから観ていて楽しかったのに、こちらは醜さが強調されて不愉快に感じた。浮き世の戯れとして刹那的に恋に興じる人間の姿を滑稽に思いながらも愛すべき存在として描いているオフュルス作品に対して、こちらは道徳的な告発や非難のようになってしまっている。男たちは平気で嘘を吐き、女たちは諦めて身を任せる人形のように見えて、そこも不愉快だった。その点、伯爵に関するエピソードは面白かったし好感が持てた。戦争が始まるという状況も、物語に陰りを与えていて良かったと思う。台詞がすごく良かったから、原作を読んでみたいな。

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