『海辺のポーリーヌ』
1983(フランス)95分
監督:エリック・ロメール
(あらすじ)15歳の少女・ポーリーヌは、年長の従姉妹・マリオンとともに避暑地の別荘にやってきた。マリオンは友人のピエールと再会、ピエールはマリオンに告白するが、マリオンはピエールを介して知り合ったアンリに惹かれていく。一方のポーリーヌは、海で、同世代の男子・シルヴァンと出会い、親しくなる。
冒頭とラストが別荘の門の画、ポーリーヌとマリオンの休暇と恋の始まりと終わりを暗示する。表面的にはポーリーヌの保護者面をしているマリオンだが、アンリとの恋に夢中でほとんど放ったらかし、しかも軽薄なアンリに盲目的に恋をしていて滑稽に見えるというか、あんまり好感が持てないなと思いながら観ていたのだけど、最後の最後にポーリーヌに語りかける台詞で、マリオンの優しさというかポーリーヌへの気遣いが伝わってきて安心した。ラストシーンには、別荘の外(日常)から、別荘・休暇・恋愛という非日常へやってきて、再び日常=女同士の友情へ戻っていくという感じがよく出ていると思った。