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『快楽』

1952(フランス)94分 

監督:マックス・オフュルス

(あらすじ)モーパッサンの短編に基づいた三話オムニバス。第一話「仮面の男」は若い男に変装して夜な夜な遊びに出掛ける老夫とその妻の話(快楽と愛の対立)。第二話「メゾン・テリエ」は娼館の娼婦たちの田舎への小旅行の話(快楽と純潔の出会い)。第三話「モデル」はモデルをしている女に恋をした画家の物語(快楽と死)。

モーパッサンの小説が読んでみたくなった。解説なんかを見ると二話目の評価が高そうで、それもすごくわかるんだけど、一話目に出てくる仮面をつけた男の姿がおぞましくて、この話は15分ほどしかないのにグッと胸をつかまれた。二話目は、冒頭の窓の格子ごしに娼館の中を紹介するカットが素晴らしい。教会の儀式に参加する娼婦たちの違和感と、そこに何か霊的な力が降り注いでくるような感じの表現も素晴らしいし、娼婦たちが去った後の見送る男の姿も良かった。三話目は、モデルの女が窓から飛び降りるカット、駆け出して階段を上るところから彼女の主観だけで見せる。階段の陰影が良かったな。映画って、こういうものなんだろうなっていうお手本みたいな作品と言えるかも。

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