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『夏物語』

1996(フランス)114分 

監督:エリック・ロメール

(あらすじ)バカンスを過ごしにディナールにやってきたガスパールは、伯母のクレープ屋でアルバイトをしているマルゴという女子学生と知り合う。親しくなったマルゴに、ガスパールは「実はこの土地で女性を待っているのだ」と告白する。土曜の晩、マルゴに誘われディスコに行ったガスパールはソレーヌと何度も目が合う。マルゴに「その女性を待つのはやめてソレーヌと楽しんだら?」と言われ、最初は乗り気でなかったガスパールだが、ある日海岸でソレーヌと出会って……

三股を掛けた愚かな男の話と思って、「誰が本命だろう?」「誰とくっつくだろう?」的な関心で観ていた自分を反省。ロメールの映画を観ていると、恋愛は好きか嫌いかだけじゃない、細かな感情のグラデーションがあるんだよなということに気付かされる。考えてみれば当たり前のことでそれが自然なんだけど、ストーリーを追うことに気を取られていると、ついつい、わかりやすい決着を求めてしまう。今回の主人公は、恋愛感情と自分の主義主張と常識とか世間体みたいなものの間に揺れに揺れて、結局何も決断しないくせに、それを宿命のせいだと言って反省もしない。愚かだけど、これこそ人間らしい姿とも言える。個人的に言えば彼のルックスが格好良いと感じてしまったのも手伝って、ダメ男と思いながらもあまり批判的になれなかった(笑)。『海辺のポーリーヌ』でポーリーヌを演じてたアマンダ・ラングレがマルゴ役、とても良かった。あと、この作品も、ガスパールがディナールにやってくる冒頭のシーンとガスパールが去っていくラストシーンが対をなしている。

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