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『抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より-』

  • ロンボン
  • 2017年3月17日
  • 読了時間: 2分

1956(フランス)100分 

監督:ロベール・ブレッソン

(あらすじ)1943年ドイツ軍占領下のリヨン。ドイツ軍に捕まり監獄に入れられたレジスタンス派のフォンテーヌ中尉は、外との通信手段を得たり、隣の独房の囚人との交信に成功したことで、微かな希望を持つ。ところが、1階から3階の独房に移され通信手段を失う。3階の独房では、日に一度、汚物を捨て顔を洗うために独房を出る機会があり、他の囚人たちとわずかな会話をすることも出来た。フォンテーヌは脱出しようと決意。ある日、扉の羽目板を分解できそうだと気付いた彼は、スプーンを手に入れ研いでノミをつくり、板のつなぎ目を削り始める。

ずっと観たかったブレッソン作品がDVDレンタルを開始していたので、さっそく借りてみた。話の内容と作風からして重たい映画だろうなとは思っていたけれど、画面全体から伝わってくる息苦しさというか、特に前半の息が詰まる感じはやっぱりすごかった。主題が脱獄というのもあって、繊細な音の演出が効果的で、特に最後の方の独房から外に出てからの飛行機音など印象に残る。画を見せる、見せないの取捨選択がすごく上手い気がする。独房に同居人が加わるところや歩哨を殺すところなどはわかりやすいけど、それ以外にも、独房にいる主人公には限られた情報しかないということを観ている者も追体験するような演出で、ゆえに緊迫感が増しているのだろうと思う。内容は想像していたよりもわかりやすく、独房の隣人や手洗い場で顔を合わせる囚人たちと徐々に信頼関係が築かれていく様は心打つものもあり、ただ重く息苦しいだけの映画ではなかった。

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