『ファンタスティック・プラネット』
1973（フランス／チェコ）73分 アニメーション
監督：ルネ・ラルー
（あらすじ）巨大なドラーグ族が小さなオム族を虫ケラのように扱う、とある惑星。ドラーグ族の子どもに母親を殺されたオム族の赤ん坊が、ドラーグ族の少女ティバに拾われて彼女のペットとなり、テールと名づけられる。 テールはティバの勉強を傍らで眺めるうち、ドラーグ族の高度な知識を習得し始める。ある日、ペットとしての立場に疑問を抱いたテールは、ティバの家から逃げ出す。逃げた先で野生のオム族の女性と出会ったテールは、公園の木の中にある彼女達の部落へ行く。
原作は仏のＳＦ作家ステファン・ウルの長編小説『オム族がいっぱい』、作画はローラン・トポール。シンプルな線の絵だけれど、画面全体の情報量は多い感じがした。世界観がかっちりしていて細部の書き込みがすごいのかも。ストーリーは思ったよりも明るい方向に決着。オム族っていうのは人間の形状をしていて、今回観たDVDでは「人間」って訳されていたし、巨大生物対人間の戦いの話で、最初は全く抵抗できないかと思いきや、知識を得て抵抗・攻撃を開始する。人間の自分としてはホッとするというか、希望が持てる展開だった。DVDに特典で収録されていた『かたつむり』という短編の方がシュールでグロテスク。びっくりした。
