『巴里のアメリカ人』
1951(アメリカ)113分 ミュージカル
監督:ヴィンセント・ミネリ
(あらすじ)アメリカ人のジェリーは、大戦後パリに残って画家をして、貧乏だが、同じくアメリカ人でピアニストのアダムやフランス人の歌手アンリと楽しく暮らしている。ある日、路上で彼の絵に目を留めたアメリカ人女性のミロは、ジェリーのパトロンになろうと申し出る。ジェリーはミロとともに訪れた酒場で、リズという娘に一目惚れするが、リズはアンリの婚約者だった。
『ザッツ・エンタテイメント』の中でMGMを代表する一作と紹介されていたので期待しすぎた。ラスト近くの長い(18分あるらしい)ダンスシーンは確かに圧巻で一見の価値があると思うが、それにしても長すぎるというか、途中ダレて飽きてしまうのでもっと工夫が欲しかった。ジェリーがパリについて語った後に始まるため、パリへの憧れを感じパリと踊っているような印象を受ける点は良かった。内容も、ミュージカルとはこういうものなのかもしれないが、あまりに空虚で、主人公ジェリー(ジーン・ケリー)が全く魅力がないのでちょっとガッカリした。単にアステアの踊りの方が好みに合うってだけなのかな。それでも、せめてヒロインにもっと説得力があれば、他の人物はこのままでも全体が良くなった気がする。一番面白かったのはピアニストのアダム、彼の絡むシーンは良かった。