top of page
検索

『ピアノ・レッスン』

  • ロンボン
  • 2017年4月11日
  • 読了時間: 2分

1993(オーストラリア/ニュージランド/フランス)121分 

監督:ジェーン・カンビオン

(あらすじ)19世紀の半ば、スコットランドに住むエイダは6才の時に話すことをやめ、ピアノの音色を言葉代わりにしている。彼女は娘のフローラとともに、ニュージーランドの開拓民スチュアートの元に嫁いできた。出迎えの日、スチュアートは、エイダの運んできたピアノを海辺に置き去りにする。翌日、原住民に同化している男ベインズに頼み、海へピアノを弾きに出掛けるエイダ。ピアノを弾くエイダに強く惹き付けられたベインズは、後日、ピアノとエイダのレッスンと引き換えに土地を譲ると、スチュアートに申し出る。

高校の同級生が「この作品が生涯ベスト」と言っていた。『タイタニック』のローズ(ケイト・ウィンスレット)が一人生き残るラストに怒っていた彼女、卒業以来会っていないけれど、その後どんな恋愛をしたのだろう。この映画の主人公エイダの魂に、ボヴァリー夫人に通じるものを感じた。だから、わりと平和に落ち着く結末が意外だった。史実はよくわからないので、入植者と原住民の関係やベインズがどんな存在なのかにはちょっと解せないものがあるが、それを置いておけば、とにかくベインズが魅力的というか、彼を演じたハーヴェイ・カイテルが素晴らしいと思う。でも、エイダの夫スチュアートだって心底嫌な奴というわけではなく(むしろ娘は懐いているので良識的なのかも、その点もボヴァリー夫人の夫像と重なる)、気性の激しい女に手を焼く男たちの話と言えないこともなく、こういう作品を女性監督が撮るということに、納得感を覚える。

最新記事

すべて表示
『夜』

1961(イタリア/フランス)122分 監督:ミケランジェロ・アントニオーニ (あらすじ)病床にある友人トマーゾを見舞った夫婦ジョヴァンニとリディア。トマーゾがもう永くないと悟った妻のリディアは一人病室を出て泣く。作家であるジョヴァンニは新作のサイン会に赴くが、リディアはそ...

 
 
 
『26世紀青年』

2006(アメリカ)85分 監督:マイク・ジャッジ (あらすじ)アメリカ陸軍は、人間の冬眠プログラムを実験しており、被験者として、最も平均的な兵士のジョーと売春婦のリタを選ぶ。1年間という設定で開始された実験であったが、責任者が不正で逮捕され、陸軍じたいも閉鎖になる中、極秘...

 
 
 
『ガタカ』

1997(アメリカ)106分 監督:アンドリュー・ニコル (あらすじ)遺伝子工学が進歩した近未来。胎児の間に劣性遺伝子を排除し優れた知能や体力を持った「適正者」と自然妊娠で生まれた「不適正者」が区別されている。自然に生まれたヴィンセントは、心臓が弱く30歳までしか生きられな...

 
 
 

댓글


Recent Posts
Archive
Search By Tags

©horobon

bottom of page