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『黒い十人の女』

1961(日本)103分 白黒  

監督:市川崑

(あらすじ)TVプロデューサーの風松吉は、妻・双葉がありながら、女優の市子・印刷会社の三輪子・演出家の五夜子・アナウンサーの四村ら9人の女性たちと愛人関係を持っている。全員が一斉に手を引けば終わると思いながらも、どうしても風から離れられない女たちは「いっその事、風が死んでくれればいい」と考えるようになる。ある晩、三輪子から、妻・双葉と愛人たちが自分を殺そうと計画していると聞いた風は、不安にかられ、妻に相談。その結果、風と双葉は2人で狂言殺人を行うことにする。

船越英二演じる風松吉のキャラクターが秀逸。ふわふわと漂うような男、どうしようもない奴なのだが、優しくて憎めない。あとは、岸恵子さんとか岸田今日子さん、中村玉緒さん達の、若い頃が観れてそれも楽しかったな。狂言殺人から先の展開も意外で、ストーリーも面白かった。台詞もドキッとするようなものがたくさんあって、でも、その名台詞が会話の流れの中で自然に話されるから、全く仰々しくないのが素晴らしい。暗闇の使い方もすごく上手くて、タイトルも「黒い女」だし、これは白黒映画であることがとても重要な気がした。

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