『生活の設計』
1933(アメリカ)91分 白黒
監督:エルンスト・ルビッチ
(あらすじ)劇作家志望のトムと画家志望のジョージは、パリへ向かう汽車の中で、ジルダと出会う。ジルダはマックスという男が経営する広告会社のデザイナーで、3人はすぐに意気投合する。しばらく後、マックスがトムにジルダに関わるなと忠告するが、トムは意に介さない。その頃、ジルダはジョージと会っていた。二股をかけられたと気付いたトムとジョージに、ジルダは「2人を愛している」と言い、3人はセックスはしないという紳士協定を結んで奇妙な共同生活を始める。
めちゃくちゃな話だった。けれど、軽い語り口で嫌な感じは全く残らない。内容のない軽薄な作品というのとも違う。これが、いわゆるソフィスティケイテッド・コメディというやつか、といった感じ。大抵はドロドロに描かれるであろう三角関係を軽く乾いた表現にしているし、ジルダのキャラクターが実によく出来ているというか、冷静に考えれば嫌な女だし、観ている間も嫌な奴だなと思ったりするのだけど、憎らしくなる一歩手前くらいで留まる、不思議な感じだった。思い返すとやっぱり嫌な奴だし、めちゃくちゃだなと思うのだけど、観ている間は面白さが前景に来て、彼らの人間関係の深刻さは何も感じない。