『巨星ジーグフェルド』
1936(アメリカ)177分 白黒
監督:ロバート・Z・レオナード
(あらすじ)フローレンツ・ジーグフェルドはシカゴ万博でサンドウという怪力男のショーを演出する興行主。美女の踊りで客を集めるライバル・ビリングスに対抗して、サンドウの腕の筋肉をご婦人方に触らせるサービスを始め、これが好評を得て一儲けする。欧州へ渡った彼は、旅の途中で立ち寄ったモナコでの賭博により全財産を失ったため、ロンドンに滞在中のビリングスの許へ来て借金を申し込む。帰米の旅費だけを与えて追い返そうとするビリングスを出し抜き、ジーグフェルドはビリングスがスカウトするはずだったフランス女優のアンナ・ヘルドを横取りしてしまう。
『ザッツ・エンタテインメント』で見たショートケーキのようなセットを確かめるために鑑賞。中身のない絢爛豪華なだけの話かと勝手に想像してたが、嬉しい誤算で、中身のある面白い作品だった。実在の米国レビュー界の第1人者フローレンツ・ジーグフェルドの生涯を描いた伝記映画で、ジーグフェルドの功績とユニークな人物像も興味深かったし、こんなに長い尺を使って見せる必要があるのか?と思ったショーの数々も、伝記と知って振り返れば、なかなか見応えのあるものだったなと思う。この作品はジャンルではミュージカルと記されていることが多いが、今日私たちが思い描くミュージカル映画とは少し違って、ショーの場面以外は全て普通のお芝居で構成されている。日常会話の中にも歌や踊りが入り込んでくるようなミュージカル映画は、いつ頃からあるのだろうと新たな疑問がわいた。