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『木を植えた男/フレデリック・バック作品集』

  • ロンボン
  • 2017年5月24日
  • 読了時間: 2分

短編アニメーション DVDの発売は2011年、短編作品が9本収録129分

監督:フレデリック・バック

(概要)『木を植えた男』で著名なカナダのアニメーション監督・フレデリック・バックの作品集。「アブラカダブラ」「神様イノンと火の物語」「鳥の誕生」「イリュージョン?」「タラタタ」「トゥ・リアン」「クラック!」「木を植えた男」「大いなる河の流れ」 の9作と、特典映像でバック氏のインタビューと高畑勲監督のインタビューが観られる。

『木を植えた男』の存在は前から知っていたが、内容もなんとなく想像できるし、教育機関が推奨しそうな道徳的物語なのだろうと、ちょっと敬遠していた。『木を植えた男』はもちろん、その他の作品も、文明批判や環境破壊批判を含んだものが多く、予想どおり内容は道徳的ではあった。しかし、押し付けがましくてうんざりするような点は全くなく、素直に観て、素直に感動してしまった。友達の出産祝いに贈ろうかと思うほどである。まず、絵が美しい。初見は内容を追うことに集中してしまうので、内容を追わず、ただ絵を味わうためにもう一度観たいなと思った。台詞のあるものとないものがあるが、台詞ありに関しては字幕を消して観てみたい。音楽も素晴らしいが音の演出も繊細で、絵が水彩や色鉛筆画のようなタッチなのに対して、音はリアルな物をあてている(例えば、風の音、動物の鳴き声、コップのあたる音など)のがとても効果を上げている。DVDでは作品が製作年代順に並んでいたのだが、初期作品はよく知られている絵のタッチと違うので、それだけでも興味深かった。時間の飛ばし方やある物が違う物に変形する表現など、アニメーションならではの演出が随所に観られ、さきほど絵だけを味わいたいと書いたが、それは「静止画」ではなく、あくまで「動画」であるからこその魅力であり、アニメーション表現の豊かさが詰まった作品集であった。

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