『素敵なウソの恋まじない』
2015(イギリス)88分 原題:Roald Dahl's Esio Trot TV映画
監督:ダーブラ・ウォルシュ
(あらすじ)ロンドンのアパートに住む老男性のホッピーさんは、階下の住人シルバーさんに片思いをしている。5年前に初めて会った時から好意を寄せているのだが、シャイな彼は彼女をお茶にも誘えない。ある日、シルバーさんが可愛がっているペットの亀のアルフィーについて、なかなか大きくならないのが悩みだと聞いたホッピーさんは、亀が大きくなる呪文を創作してシルバーさんに教える。そして、亀を買い集め、シルバー家のアルフィーを少しずつ大きな亀に変えてゆく。
レンタル屋でリチャード・カーティスが脚本を書いているという紹介を見て借りてみた。『チョコレート工場の秘密 』のロアルド・ダールの原作だけあって、素晴らしいファンタジーだった。よくよく考えれば、ホッピーさんの行動は変質者と言っても良さそうなのだけど、そんな風に感じさせないのは、ホッピーを演じたダスティン・ホフマンの演技力と、物語の語り部を主人公たちとは別に立てた構成の力が大きいのかなと思う。実は初見で観ている間、ダスティン・ホフマンだと全く気付かなかったのだけど、猫背ぎみでとぼとぼ歩き、ベランダに見事な花壇を作り、亀たちに名前をつけて話し掛けるホッピー氏は、好きにならざるを得ない人物像だった。ホフマンはこの役で国際エミー賞・男優部門をもらったらしい。