『婚前特急』
2011(日本)108分
監督:前田弘二
(あらすじ)24歳の会社員・池下チエは「色々な人と色々な体験がしたい」と、五人の彼氏①バツイチの会社員・みのる(33歳)②バイクショップ経営・道雄(29歳)③美容室のオーナー・三宅(54歳)④大学生・健二(19歳)⑤パン工場の工員・田無(26歳)と付き合っている。親友のトシコが結婚したのを機にチエは5人の査定を始めた。まず最初にと田無に別れを切り出したところ、「俺たち、付き合ってないじゃん」と言われてしまい、プライドを傷つけられたチエは、田無に復讐しようと決意する。
軽く観られるロマコメといった感じ、楽しかった。五股女の話だけれど、実質、チエと田無のラブストーリーである。チエ役の吉高由里子、田無役の浜野謙太がそれぞれ良かった。チエは「五股掛けてるひどい女」なのだが、「幸せな結婚」をしたトシコと「心がキレイなお嬢さま」のミカという他の二人の女性像の方が何だか胡散臭く感じるので、自由奔放・わがまま放題のチエを魅力的に感じた。チエに感情移入して観ていると、田無は本当に無神経な男でどこがいいのかさっぱり分からないと、序盤はちょっと苛立つくらいだったけど、終盤に至って「ああ、この二人は似た者同士なんだな」と納得。ラストではありきたりなカップル像ではなく、二人でしか成立しない関係に落ち着いたところが、とても良かった。