『恋の秋』
1998(フランス)112分
監督:エリック・ロメール
(あらすじ)もうすぐ娘が結婚するイザベル。彼女には田舎の農園でワイン作りをしているマガリという親友がいる。早くに夫を亡くし子供も独立、孤独な生活を送るマガリを心配したイザベルは、新聞の「交際相手募集欄」に勝手に記事を投稿し、マガリの振りをしてジェラルドという男性と面会する。一方、マガリの息子の恋人ロジーヌは、息子よりも母親のマガリを気に入って頻繁に訪ねてくる。ロジーヌは、かつて自分の教師で恋の相手でもあったエティエンヌをマガリに紹介しようと画策し始める。
ロメールの四季シリーズで唯一レンタルできなかった秋の物語、映画館で観ることが出来た!マガリを演じるのは『クレールの膝』と『美しき結婚』にも出演していたベアトリス・ロマンで、全く別人格の人物を演じているのになにか関連があるような気がしてしまうというか、劇中人物マガリの過去の一端を知っているような気がして不思議な感じだった。イザベル役のマリー・リヴィエールだって『飛行士の妻』や『緑の光線』に出ているのだけれど、特にベアトリス・ロマンは印象が強い。四季シリーズはロメールが70代になってから撮っているだけあって、円熟期の作品というか、人間関係と話の筋が複雑だなと思う。秋は、大人だけれど中身が少女のようなマガリと、少女なのにませてるロジーヌの対比が面白かった。