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『情事』

1960(イタリア)129分 

監督:ミケランジェロ・アントニオーニ

(あらすじ)外交官の娘アンナには建築家のサンドロという恋人がいるが、二人は倦怠期ぎみ。ある日、アンナは親友のクラウディアを誘い、サンドロとともに、ヨット旅行に出かけた。途中、一人海に飛び込んだアンナは鮫がいたと嘘を吐く。そして、小さな無人島に立ち寄った際に忽然と姿を消してしまう。ヨットに乗り合わせていた友人たちとアンナを探すサンドロとクラウディア。警察や軍隊も出動しての捜索も虚しく、アンナの姿も遺体も見付からず、結局捜査は打ちきられた。しかし、諦めきれないサンドロはアンナを探しに出掛け、その旅先でクラウディアと再会する。互いを想い合うようになったサンドロとクラウディアは、やましさを覚えながらも、情事に耽るうち、アンナの話題をしなくなっていく。

なんとなく粗筋を知っていたのだけれど、アンナがいなくなって残された男女2人がすぐに恋愛するのかと思いきや、そんなに簡単に話は運ばず、男(サンドロ)の移り気は軽くも見えたが、クラウディアは友情と恋愛の間で揺れ葛藤する、その様が丁寧に描かれていて、そこが良かった。アンナが「居ない」ことによって逆に気配が濃厚で、それゆえにサンドロとクラウディアは惹かれ合うし、不安に苛まれ続ける、観ている側の感情も緊張が強いられる分、そのまま唐突に終わってしまう感じもする。「腑に落ちない結末に怒る人々がいたり、行方不明のままのアンナに出頭を呼びかける新聞記事が出た」という反応も、その強い緊張感のせいかなと思った。ずっと観たかったアントニオーニ作品、続けて「愛の不毛三部作」の残り二作も観てみたい。

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