『モンソーのパン屋の女の子』
1963(フランス)28分
監督:エリック・ロメール
(あらすじ)大学生の「私」は、いつも同じ道ですれ違うシルヴィに興味を持っているが、声を掛けられないでいる。ある日、たまたま彼女とぶつかった時にお茶に誘うが、忙しいからまたの機会にと言われ、断られたものの希望を持つ。ところが、その後から、シルヴィを見かけなくなってしまった「私」は、毎日勉強の合間に彼女を探して町を歩きまわる。やがて、毎日同じパン屋でサブレを買うようになった「私」は、その店の売り子であるジュリエットに関心を持ち始める。
“六つの教訓話”シリーズの第1作にあたる短編。先に小説で読んだ時に、女性に声が掛けられず、毎日サブレを買って立ち食いするような男性だから、なんとなく線の細いフェミニン
な感じを想像していたら、かなりガッチリした体形の俳優さんだったので、そこが面白かった。初期の作品らしく、荒削りな感じがあって、展開も唐突。だけど、人物に対するシニカルな目線と愛嬌が混在する感じはすでに存在していて、基本姿勢は変わらないんだなあと思った。