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『シュザンヌの生き方』

  • ロンボン
  • 2017年6月21日
  • 読了時間: 2分

1963(フランス)52分 

監督:エリック・ロメール

(あらすじ)大学生のベルトランの友人ギョームは、カフェで隣に座っていたシュザンヌに声をかけ、彼女を自宅のパーティーに誘う。パーティーで、ギョームはシュザンヌを放っておいて、ベルトランの片想いの相手ソフィーとばかり話している。他の客が帰ったあと、ギョームはベルトランとシュザンヌに泊まるように言う。翌朝、ベルトランは、ギョームとシュザンヌの寝ている傍から上着をとって帰る。その後、ギョームはベルトランに「シュザンヌに付きまとわれて迷惑だ」と言う。ベルトランはシュザンヌに対し、軽蔑と同情を感じる。そんな折り、シュザンヌがベルトランをパーティーに誘い、ベルトランはシュザンヌのおかげでソフィーと初めて話すことができた。

小説で読んだときに、一番、主人公の気持ちが分からなかった作品。映像になるとよくわかった。この後、他の作品で何度も出てくる「気が弱く内気な人物」と「社交的で我侭な人物」の対比が描かれている。主人公ベルトランがソフィーに声を掛けられないのは、ナンパなギョームと違って慎み深いからというわけではなく単に気が弱いだけ、内心ではギョームにホイホイついていくシュザンヌをバカにしているような人物であるというのが、とても好きだし、ロメール作品らしいなと思う。このベルトランがシュザンヌに抱いている気持の複雑さが、小説だとわかりにくかった。シュザンヌも、ギョームにすぐに惚れて、ギョームとベルトランに奢りすぎて金欠になるような人物で、その魅力がわかりにくかったのだが、映画で観れば、他人を利用する気満々のギョームに対し、シュザンヌは自分の欲望に素直なだけなんだなとわかって好感を持った。

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