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『恋人たち』

  • ロンボン
  • 2017年6月22日
  • 読了時間: 2分

2015(日本)140分   

監督:橋口亮輔

(あらすじ)橋梁点検を生業にするアツシ。彼には、数年前に愛する妻を通り魔殺人事件で失ったという、つらく重い過去がある。 瞳子は夫と姑との3人暮らし。弁当屋でパートをしていて、かつて雅子妃を見に行った際のビデオ映像を鑑賞することと漫画を描くことが趣味。ある日、弁当屋の取引先の男と親しくなり、瞳子の平凡な日々に変化が訪れる。 弁護士事務所に務めるエリートの四ノ宮は、完璧主義者で一緒に暮らす同性の恋人への態度も威圧的。足を骨折した彼は、学生時代から秘かに想いを寄せている男友だちの見舞いに喜ぶが、ささいな出来事がきっかけで誤解を招いてしまう。

ストーリーも俳優たちもその演技も地味で静か、そこがとても素晴らしい作品。それは、「普通」の人の「日常」の地味さ、静かさ、辛さ、喜びが、きちんと描かれているということ。でも、これはフィクションで映画だから、本当に「日常」をそのまま写し取っているわけではもちろんない。最初に、映画的な興奮を覚えたのは、瞳子が藤田と鶏を追いかける場面。おじさんとおばさんが自転車に二人乗り、そんな映像が、光の加減と音楽の効果で、本当に「キラキラ」と輝いて見え、それに続く鶏を捕まえるために泥まみれになる場面も、なんだか胸が締め付けられるような感覚になった。映画的と言えば、三人の主役たち、それぞれに「独白」の場面があって、やっぱりあれも本当の日常ではない、映画的仕掛け。あんな独白、現実にはきっとしないのだけど、映画で観ていると「自然」で、これが映画的なリアリティってことなんだろうなと思った。

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