『高校生のための文章読本』
梅田卓夫/清水良典/服部左右一/松川由博 編 (ちくま学芸文庫・2015年1月発行)
この本が最初に刊行されたのは1986年3月のこと。
実際に高校生の教材として、工業高校の四人の国語科教師によって編まれたものである。
高校生の頃にこの教材で勉強できたら幸せだろうなと思いながら読んだけれど、
それは大人になった者の感想で、今だからこそ、この本の有り難みがわかったのかもしれない。
日本文学も外国文学も小説もエッセイも色んな文章が入っている。
短いけれどまとまった章になっている散文が、全部で70篇載っていて、
一つ一つの文章に、設問と解説が書かれている。
<文例を読み、設問について考え、解説を読む>を繰り返すうちに、
だんだんと文章の味わい方がわかってきたような気がした。
文章を読むことの奥深さを改めて教えられた。まさに「文章読本」であった。