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『輪舞(1950)』

  • ロンボン
  • 2017年2月14日
  • 読了時間: 2分

1950(フランス)92分 白黒

監督:マックス・オフュルス

(あらすじ)狂言まわしが現れ、1900年のウィーンを舞台とした恋の輪舞を語り始める。物語の始まりは娼婦と兵士。兵士は女中に手を出し、女中は雇い主の息子と関係を持ち、その息子は人妻に恋い焦がれ、その人妻は夫とベッドで語り合う。その夫は若い女に惹かれて、彼女を愛人にするが、若い女には詩人の恋人が出来、詩人には女優の恋人がいる。その女優の本命は伯爵だが、伯爵は女優の元へは行かずに(冒頭の)娼婦の部屋で一夜を過ごした。こうして環は閉じたと言って、狂言回しは物語を終える。

いきなり狂言回しが出てきて、こちらに向かって語り始め、その後も物語のあちこちに顔を出し、時には登場人物を連れて時間を早送りしたりする。その構成にまずは驚き、強い魅力を感じた。監督の特徴として滑らかなカメラワークというのが挙げられるようだが、確かに、狂言回しの語り部分と登場人物たちにとっての現実部分が無理なくつながっていて、本当に心地よい。一つ一つのエピソードは他愛ない上に、全員が不実な恋愛をしているのだが、全く嫌な感じがしないという点も心地よさの要因だろう。解説などを読むと、「兵士は女中の純潔を奪い、女中の雇い主は恋愛術を学ぶために彼女を利用した」みたいな書き方がしてあるが、そんなジメジメした感触は全くないから違和感がある。女中に言い寄った兵士はその後に熱烈な手紙を送っているのに、女中の方は勤め先の息子に惹かれちゃうし、その息子は息子でとにかく経験が少なくてウブというのが特徴で、人妻とのベッドでスタンダールの話を持ち出すあたりなど笑ってしまう。そういえば、直接的な性描写はほとんどないのに、妙に官能的で、その点も素晴らしかった。

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